【神戸市東灘区】相続登記を放置したまま親が亡くなり、さらに兄弟にも相続が発生—複雑な相続関係を整理しスムーズに不動産を名義変更した事例
ご相談者様
相談者様のお父様名義の不動産が26件(未登記建物1件を含む)ありましたが、お父様のご逝去後も相続登記が行われないまま、長い年月が経過していました。
その間に、相談者様のご兄弟1名、およびお母様が相次いで他界され、相続関係は三世代にまたがる複雑な状態となっていました。お父様の相続では数次相続が、お母様の相続では代襲相続が生じている状況です。
相談者様は「遺産を巡って争いたくない」とのお考えをお持ちでしたが、亡くなられたご兄弟のご家族とはほとんど交流がなく、法的にどのように整理し、話を進めるべきか不安を抱えていらっしゃいました。
解決へのプロセス
まずは相続関係を時系列に沿って整理し、法定相続人を正確に確定しました。
お父様からご兄弟(故人)、そしてお母様へと順次相続が発生した流れを丁寧に確認し、見落としのないよう対応いたしました。
不動産については名寄帳を取り寄せて調査を行い、相続手続きに漏れがないよう徹底しました。
相談者様には、亡くなられたご兄弟の配偶者およびお子様と直接ご連絡を取っていただき、当事務所はそのうえで、相続人それぞれの法的な立場や手続きの進め方について、わかりやすくご説明いたしました。
感情的な対立を避けるため、「法的な整理」という中立的な立場を保ちつつ、丁寧で冷静な対応を心がけました。
その結果、相続人全員が以下の内容で合意されました。
- 一次相続として、お父様名義の不動産は一旦お母様が相続する
- お母様の相続においては、不動産を子1名が相続し、不動産と預貯金をあわせた全体の相続分が、法定相続人(子3名と孫1名)で均等となるよう、預貯金を分割
この合意に基づき、26件の不動産(未登記建物1件を含む)について、円滑に名義変更手続きを完了することができました。
当事務所より
ご相談者を含む相続人全員のご協力もあり、スムーズに手続きをすることができました。
「迅速に対応して頂きありがとうございました。」と嬉しい感謝のお言葉をいただきました。誠にありがとうございます。
相続登記をしないまま相続人が亡くなってしまった場合、「もうどうしようもないのでは」と感じてしまうかもしれません。
でも、どんなに複雑な相続でも、整理の仕方は必ずあります。
まずは今の状況をお話しください。一緒に全体を整理し、穏やかに前へ進めるようにサポートいたします。

この記事を書いた人

司法書士・社会保険労務士 石井 もも