死亡保険金の受取人が先に死亡している場合の考え方:かんぽ生命の遺族制度まで

かんぽ生命の遺族制度

生命保険は、被保険者が死亡したときに、契約により指定された受取人に対して死亡保険金が支払われるものですが、その受取人を配偶者にしている人は多いのではないでしょうか。

では、その受取人が、被保険者よりも先に亡くなっていた場合はその死亡保険金は誰が受け取ることになるのでしょうか。

本記事では、受取人が先に死亡していた場合の考え方を説明します。また、かんぽ生命で保険を契約している場合の遺族制度についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。

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死亡保険金の受取人がいない場合

死亡保険金は相続財産か固有財産か

生命保険の被保険者が亡くなられた場合、受取人に対して死亡保険金が支払われます。

被保険者の死亡により支払われた死亡保険金は、原則受取人の固有財産であり、被保険者の相続財産ではありません。受取人は、相続放棄をした場合でも、死亡保険金を受け取ることができます。

ただし、被保険者の死亡により支払われた死亡保険金が著しく高額な場合は、特別受益であるとされることがあります。

死亡保険金の受取人がいない場合

被保険者の死亡保険金の受取人が先に死亡している場合は、まずは保険会社との契約の内容によります。保険会社との契約によっても定めがない場合は、保険法46条によりその受取人の相続人が死亡保険金の受取人となります。

(保険金受取人の死亡)
第四十六 条保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。
引用:保険法46条

この場合に相続人が複数いるときは、等しい割合で権利を有すると解されています。

(分割債権及び分割債務)
数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
引用:民法427条

かんぽ生命の遺族制度とは

遺族制度の基本的な内容

かんぽ生命は、死亡保険金の受取人が先に死亡している場合につき、遺族制度を定めています。かんぽ生命の死亡保険金の受取人が被保険者よりも先に死亡している場合は、この遺族制度に基づいて死亡保険金が支払われることになります。

遺族制度は、死亡保険金の受取人につき順位を定めています。

第1順位は被保険者の「配偶者」、第2順位は被保険者の「子」、第3順位は被保険者の「父母」というように、第1順位から第8順位まで定められています。

この遺族制度の順位は、民法の相続の場合にように代襲相続があっても代襲相続人は受取人となりません。

また、第1順位の「配偶者」は、事実上の婚姻関係(内縁関係)にある者も含まれます。

特約死亡保険金、倍額保険金と特約死亡還付金について

被保険者の死亡を基因として支払われるものとして、死亡保険金以外に、以下のものが支払われることがあります。

  1. 特約死亡保険金
  2. 倍額保険金
  3. 特約死亡還付金

1の「特約死亡保険金」、2の「倍額保険金」については、被保険者が不慮の事故により亡くなったと認められた場合に支払われるものですが、この特約死亡保険金と倍額保険金は、死亡保険金と同じ取扱いとなり、相続財産とならずに死亡保険金受取人の固有財産として扱うことになります。

一方、3の「特約死亡還付金」は、契約者であり被保険者である者の相続財産として、取り扱うこととなります。

まとめ

本記事では、死亡保険金の受取人が、被保険者よりも先に亡くなっていた場合の考え方からかんぽ生命の遺族制度について解説しました。
かんぽ生命の遺族制度に関する詳しい情報は、かんぽ生命のホームページでご確認ください。

相続についてご相談をお受けしていますので、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。