抵当権抹消登記手続き

住宅ローン等を完済したら、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が送られてきます。
ローンを完済したとき、不動産の売却や新たに抵当権を設定するときなど、既に債務を完済している抵当権は抹消していなければなりません。

抵当権抹消とはどういうものなのか、必要書類やその手続き、費用について解説します。

抵当権抹消とは

抵当権とは、不動産に設定されるもので、金融機関などの債権者が、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる権利です。
抵当権の抹消とは、不動産に設定されていた抵当権を外す手続きのことをいいます。

抵当権抹消登記は、法務局で管理されている不動産の登記簿上の抵当権を抹消する登記をすることです。
ローンを完済などして抵当権がなくなっても、自動的に登記簿上の抵当権は抹消されないので、
自分で抵当権の抹消登記手続きをしなければなりません。

抵当権抹消登記手続きに必要な書類

抵当権抹消登記手続きに必要な基本的な書類は、次の3つです。

  1. 登記原因証明情報(抵当権解除証書や弁済証書など)
  2. 抵当権の設定登記をしたときの登記済証または登記識別情報
  3. 抵当権者(金融機関)の登記申請用の委任状

これらの書類とは別に、以下のような事案によっては追加の書類が必要になります

  • 司法書士に登記申請を依頼する場合は、司法書士への委任状(司法書士が作成)
  • 不動産の所有者の住所氏名が登記簿上の名義から変更になっている場合は、その経過がわかる住民票など
  • 金融機関の会社名や住所が変更になっているときは、会社の閉鎖事項証明書が必要になることも

抵当権抹消登記の手続き

抵当権抹消登記手続きの一般的な流れ

  1. 金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が届く
  2. 登記申請書の作成
  3. 法務局へ提出
  4. 登記完了

抵当権抹消の費用

登録免許税は、不動産1物件につき、1,000円です。

例えば、戸建ての場合で、土地1物件と建物1物件のときは登録免許税が2,000円になります。

また、登記申請手続きを司法書士に依頼すれば、報酬が必要になります。

抵当権抹消登記手続きに必要な書類を紛失してしまったら

必要書類を紛失してしまったら、金融機関に再発行をしてもらうことになります。

しかし、全ての書類が再発行できるわけはありません。
登記済証または登記識別情報は再発行できない書類となっています。

この場合は、一般的な登記申請の流れとは異なります。
また、必要書類に金融機関の会社の実印を押印してもらわないといけないなど、時間と手間がかかってしまいます。

最後に

簡単ではありますが、抵当権抹消登記について解説しました。

金融機関から必要書類を受け取ったまま放置すると、書類の紛失の可能性やその後の売却手続きなどがスムーズに行えなくなってしまいます。
必要書類が届いたら、忘れない間に手続きをすませましょう。

平日はお仕事で法務局に行けないなどご自身で難しい場合は、当事務所でもいいですし、お近くの司法書士にご相談ください。