マンション相続登記|土地が敷地権化されていないケースとは?司法書士が解説

「マンションなら建物だけ相続登記すれば大丈夫」と思っていませんか。

実は、マンションの中には建物に土地の表示があるにもかかわらず、土地が敷地権化されていないケースがあります。
このような場合、建物だけ相続登記すると土地の相続登記が漏れてしまう可能性があります。

今回は、実際に当事務所で対応した事例をもとに、どのような点に注意すべきかをご紹介します。

神戸市東灘区にお住まいの50代女性から、ご実家マンションの相続登記についてご相談いただきました。
一見すると通常のマンションの相続登記と思われましたが、登記内容を詳しく確認したところ、建物に「敷地権の目的である土地の表示」があるものの、土地は敷地権化されていないという、少し珍しいケースでした。

相続登記を進めるため、まずは建物の登記情報を取得し、現状を確認しました。

マンションの建物の登記簿には、「一棟の建物の表示」欄と「専有部分の建物の表示」欄があります。土地が敷地権化されているマンションでは、「専有部分の建物の表示」欄に敷地権の表示が記載されています。

ところが今回の登記簿では、この欄に敷地権の表示がありませんでした。

このことから、土地は敷地権化されておらず、建物とは別に区分所有者全員で持分を共有している状態です。

一般的な敷地権付きマンションでは、建物と土地が一体となっているため、建物の相続登記を行えば土地についても同時に権利が移転します。

しかし、今回のように土地が敷地権化されていない場合は、建物の相続登記だけでは手続きが完了しません。土地についても別途相続登記が必要になります。

このようなケースでは、土地も相続登記の対象となるため、申請書に土地を漏れなく記載する必要があります。

土地を記載しないまま申請すると、建物だけ相続登記が完了し、土地は亡くなった方名義のまま残ってしまいます。

土地が敷地権化されているマンションであっても、不動産を記入する欄には建物だけでなく敷地権化されている土地についても記入します。もし、土地について記入し忘れても、法務局から補正の連絡がくる可能性が高いと思われます。

対して、土地について敷地権化されてなく、不動産を記入する欄に土地が記入されていなかった場合は、そのまま登記が完了してしまい、土地について相続登記が漏れた状態になってしまいます。
このままでは、将来売却や贈与をするときに追加の相続登記が必要になることがあります。

今回のように敷地権化されていないマンションでは、建物だけでなく土地にも相続登記が必要となるため、遺産分割協議書の記載内容にも十分な注意が必要です。

例えば、遺産分割協議書に建物しか記載されていなかった場合、土地の相続登記ができず、後から改めて遺産分割協議書を作成し直したり、相続人全員から再度署名・押印をいただいたりする必要が生じることがあります。相続人が遠方に住んでいたり、時間が経過していたりすると、手続きの負担が大きくなるケースも少なくありません。

また、敷地権化されていない土地には、土地の権利証(登記識別情報通知)が存在します。そのため、将来マンションを売却する際には、建物だけでなく土地についても権利証等が必要です。

相続登記の段階で土地の権利関係や書類を確認しておくことで、将来の売却や贈与などの手続きをスムーズに進めることができます。

マンションの相続登記は、土地の登記内容まで確認して初めて、漏れのない相続登記が実現できます。このようなケースは、登記事項証明書を見ただけでは一般の方が判断することは容易ではありません。
登記簿の内容は一般の方には分かりにくい部分もありますので、不安があれば専門家へ相談されることをおすすめします。

当事務所では、相続登記のご相談では、建物だけでなく土地の権利関係も確認し、手続き漏れがないよう丁寧にサポートしております。

登記簿を確認したところ、
「これってどういう意味?」
「土地も登記が必要?」
といった疑問にも丁寧にご説明いたします。

神戸市東灘区・芦屋市を中心に、全国オンライン相談にも対応しております。
マンションの相続登記でご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。