一般社団法人の理事変更登記|任期・重任・必要書類・代表理事の変更を解説

一般社団法人の理事には任期があります。
理事の任期は原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会の終結時までです。

そのため、理事に実際の変更がなく、同じ人がそのまま理事を続ける場合でも、任期が満了して再任されれば、役員変更の登記が必要になります。また、理事の辞任や死亡などによって理事が交代した場合や、代表理事が変わった場合にも変更登記が必要です。

変更登記は、原則として登記すべき事由が発生してから2週間以内に申請する必要があります。登記を怠ると、代表者に過料が科される可能性があります。

この記事では、一般社団法人の

  • 理事・監事・会計監査人の任期
  • 理事が再任される場合の登記
  • 理事が辞任・交代する場合の登記
  • 代表理事の選定方法
  • 役員変更登記に必要な書類
  • 登録免許税

について整理します。

なお、この記事では「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」を「法人法」と表記します。

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一般社団法人の理事には任期がある

一般社団法人の理事は、いつまでも同じ人が自動的に続けられるわけではありません。
理事の任期は、原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結時までとされています(法人法66条)。

定款や社員総会の決議によって任期を短縮することはできますが、任期を伸長することはできません。

そのため、理事の任期を確認するときは、「就任してから2年」と単純に考えるのではなく、定款や事業年度、定時社員総会の時期を確認する必要があります。

理事の任期が満了したら、同じ人が続けても登記が必要

例えば、理事Aさんの任期が満了する際に、社員総会で再びAさんを理事に選任したとします。
この場合、Aさんはそのまま理事を続けることになりますが、「何も変更がないから登記も必要ない」ということにはなりません。

任期満了と再任にて役員の変更登記が必要です。

とくに、任期満了後に時間的間隔がなく、同じ人が続けて理事になることを、「重任」といいます。

理事の任期は「就任日から2年」とは限らない

理事の任期について注意したいのが、任期の起算点と任期満了の時期です。
理事の任期は、単純に「就任した日から2年間」という仕組みではありません。
「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結時まで」という法律上の定めに従って判断します。

そのため、
「2024年4月1日に就任したから、2026年3月31日で任期満了」
というように、日付だけで判断するのは危険です。

実際の任期は、法人の事業年度や定時社員総会の開催時期、定款の定めなどを確認して判断する必要があります。

監事の任期は理事より長い

監事を置いている一般社団法人では、監事にも任期があります。
監事の任期は、原則として、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結時までです。

定款によって、任期を2年まで短縮することができます。

理事の任期と監事の任期は異なるため、理事だけを確認して「役員変更はまだ先」と判断しないよう注意が必要です。

会計監査人にも任期がある

会計監査人を置いている一般社団法人では、会計監査人についても任期があります。
会計監査人の任期は、原則として、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結時までです。

ただし、理事や監事とは異なり、一定の場合には、定時社員総会で特に会計監査人について別段の決議がされなければ再任されたものとみなされる仕組みがあります。

会計監査人を設置している法人では、理事・監事とは別に任期を確認する必要があります。

理事が辞任・死亡した場合も変更登記が必要

理事の変更は、任期満了によるものだけではありません。

例えば、

  • 理事が辞任した
  • 理事が死亡した
  • 理事が解任された
  • 欠格事由などにより資格を失った
  • 新しい理事が就任した

といった場合にも、登記事項に変更が生じれば変更登記が必要になります。

代表理事の選び方は、理事会の有無などによって異なる

一般社団法人では、代表理事を置くことがあります。
ただし、理事会を設置している法人と、設置していない法人では、代表理事の選定方法が異なります。

その法人がどのような機関設計になっているか、定款でどのように定めているかを確認する必要があります。

理事会を設置している一般社団法人

理事会設置一般社団法人では、原則として、理事会が理事の中から代表理事を選定します(法人法90条3項)。

理事会を設置していない一般社団法人

理事会を設置していない一般社団法人では、原則として理事が法人を代表します。
ただし、定款の定めに基づく理事の互選や社員総会の決議などによって、理事の中から代表理事を定めることができます。

そのため、代表理事を変更するときは、

  1. 理事会を設置しているか
  2. 定款にどのような定めがあるか
  3. 代表理事をどの機関・方法で選定することになっているか

を確認することが重要です。

一般社団法人の役員変更登記には期限がある

役員変更登記は、変更が生じたらいつでもよいわけではありません。
原則として、登記すべき事由が発生した日から2週間以内に変更登記を申請します。

例えば、任期満了によって理事が重任した場合には、任期満了・重任の時期を確認して登記申請の期限を判断します。

期限を過ぎた場合でも登記申請そのものができなくなるわけではありませんが、登記を怠った代表者には、裁判所から過料が科される可能性があります。

役員変更登記をするとき、まず何を確認する?

一般社団法人の役員変更は、法人によって手続きが異なります。
そのため、いきなり必要書類を集めるのではなく、まず現在の登記事項証明書や定款を確認すると整理しやすくなります。

確認したいのは、例えば次のような事項です。

  • 現在の理事の人数
  • 理事の任期
  • 監事の有無
  • 会計監査人の有無
  • 理事会を設置しているか
  • 代表理事をどのように選定する法人なのか
  • 誰が任期満了になるのか
  • 誰が再任・辞任・就任するのか
  • 代表理事に変更があるのか

特に、「誰が変わるのか」だけではなく、「なぜ変更になるのか」「どのように選定するのか」まで確認することがポイントです。

理事・監事の変更登記に必要な書類

必要書類は、変更の内容や法人の機関設計によって異なります。
例えば、理事の任期満了による重任や、新しい理事の就任などでは、社員総会議事録、就任承諾書、定款などが必要になる場合があります。

新たに理事や監事が就任する場合には、本人確認証明書が必要となる場合があります。ただし、再任の場合は本人確認証明書は原則として不要です。

また、理事会設置法人かどうか、代表理事をどのように選定するかによっても必要書類が変わります。

そのため、一般社団法人の役員変更では、「理事の変更だからこの書類」というように一律に考えないことが大切です。

代表理事の変更がある場合

代表理事が交代する場合は、代表理事をどのような方法で選定したのかによって必要書類が変わります。

例えば、理事会の決議によって代表理事を選定する場合には、理事会議事録など、選定方法に応じた書類が必要になります。
理事会を設置していない法人で、定款の定めに基づいて理事の互選によって代表理事を選定する場合には、理事の互選を証する書面や定款などが必要になる場合があります。
社員総会で代表理事を選定する場合にも、社員総会議事録など、選定方法に応じた書類を準備します。

一般社団法人の役員変更登記の登録免許税

一般社団法人の役員変更登記にかかる登録免許税は、申請1件につき1万円です。
役員の人数や資本金によって登録免許税が変わるわけではありません。

ただし、役員変更と同時に別の登記を申請する場合には、変更内容に応じて別途登録免許税が必要になることがあります。

一般社団法人の理事変更登記でよくある注意点

「同じ人が続けるから登記は不要」は間違い

「同じ人が続けるから登記は不要」は間違いです。
任期満了後に同じ人が再任される場合でも、役員変更登記は必要です。
「人が変わったかどうか」だけで判断せず、任期を確認しましょう。

任期を「2年」とだけ覚えない

理事の任期は、単純に選任日から2年間ではありません。

定款や事業年度、定時社員総会の時期を確認して、任期満了の時期を判断する必要があります。

定款を確認せずに手続きを進めない

代表理事の選定方法や理事の任期などは、定款の内容が重要になります。

特に、理事会を設置していない一般社団法人では、代表理事の選定方法を定款で確認することが重要です。

まとめ

一般社団法人の役員変更では、単に「理事が変わったかどうか」だけを確認するのではなく、任期と法人の機関設計を確認することが大切です。理事については、原則として2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結時までが任期です。

そのため、同じ理事が再任される場合でも、役員変更登記が必要になります。

また、理事の辞任・死亡・解任などによって変更が生じた場合や、代表理事が変更された場合にも、登記が必要になることがあります。

変更登記は原則として、登記すべき事由が発生してから2週間以内に申請します。

一般社団法人の役員変更では、「誰が変わったのか」だけでなく、「任期はいつまでか」「理事会を設置しているか」「代表理事をどのように選定する法人なのか」を確認することが重要です。

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