株主リストガイド|株主名簿との違い、作成方法、日付、作成者、押印の必要性まで

役員変更などの登記について調べていると、「株主リスト」という書類が必要になることがあります。

「株主リストって何?」
「株主名簿とは違うの?」
「株主が1人しかいない会社でも必要?」
「何を書いて、誰が作ればいいの?」

このように、株主リストについて疑問を持つ方も少なくありません。

株主リストは、一定の登記申請をするときに法務局へ提出する添付書面です。
すべての登記申請に必要というわけではなく、登記する内容や決議・同意の方法によって必要かどうかが変わります。
この記事では、株主リストとは何か、どのような場合に必要なのか、記載する内容、日付、作成者、押印の要否、株主名簿との違いまで、順番に説明します。

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株主リストってなに?なぜ必要?

株主リストとは、一定の登記申請をするときに、株主の氏名や住所、株式数、議決権数などを記載して法務局へ提出する書面です。
株主リストが必要になるのは、すべての登記申請ではありません。

たとえば、登記すべき事項について株主総会の決議を要する場合には、原則として、その決議をした株主について株主リストを作成します。
また、登記すべき事項について株主全員の同意を要する場合には、株主全員についての株主リストを作成します。

つまり、「会社に株主がいるから株主リストを作る」というものではなく、登記する内容や、その登記に必要となる決議・同意によって、株主リストが必要になるかどうかが決まると考えると分かりやすいでしょう。

株主リストの添付は、すべての会社に求められるものではありません。株式会社(特例有限会社を含む)と投資法人、特定目的会社に限られます。合同会社は対象外です。

株主リストの作成|日付、記載事項、注意点

株主リストには何を書く?

株主リストには、原則として次の事項を記載します。

記載する事項内容
氏名または名称株主の氏名または法人などの名称
住所株主の住所
株式数その株主が保有する株式の数
議決権数その株主が有する議決権の数
議決権数の割合総議決権数に対する、その株主の議決権数の割合

種類株式を発行している会社の場合は、種類株式の種類や数についても記載が必要になります。

なお、どの株主を記載するかは、登記の根拠となる決議・同意によって異なります。単純に「株主全員を書く」と考えるのではなく、次の「誰を株主リストに記載する?」を確認しましょう。

法務省HPにも株主リストの書式と記載例がありますのでご参考ください。

誰を株主リストに記載する?

株主リストに記載する株主は、登記の根拠となる決議・同意の方法によって異なります。

株主総会の決議を要する場合

原則として、

  • 議決権数が上位10名の株主
  • 議決権割合を多い順に加算して、3分の2に達するまでの株主

のうち、人数の少ない方を記載します。

ここでいう議決権は、その株主総会の決議について議決権を行使できるものを基準とします。
議決権を行使しなかった株主、又は株主総会を欠席した株主であっても議決権を行使することができた株主であれば対象となります。

また、第10位の株主が複数いる場合には、その株主を全員記載するため、10名を超えることがあります。

なお、自己株式など、その決議について議決権を行使できない株式を保有する株主は、この計算の対象から除かれます。

株主全員の同意を要する場合

登記すべき事項について株主全員の同意を要する場合には、株主全員を記載します。

株主が1人でも必要?

株主が1人しかいない会社でも、株主リストが必要となる登記であれば、株主リストを作成します。
「株主が1人だから株主リストは不要」ということではありません。

たとえば、株主1人の会社で、株主総会の決議によって取締役を選任し、その登記をする場合には、その株主について株主リストを作成します。

株主リストの日付はいつ?

株主リストには、登記の根拠となる株主総会などの日付を記載します。

たとえば、株主総会の決議をもとに登記する場合は、株主総会の開催日と、どの議案についての株主リストなのかが分かるように記載します。
そのため、単純に「登記申請をする日」や「株主リストを作成した日」を記載すればよいというものではありません。

実際の書式では、株主総会等の年月日や対象となる議案などを記載する形になっています。

株主総会の決議を要する登記では、決議をした日と対象となる議案を確認してから株主リストを作成しましょう。

株主リストは誰が作成する?

株主リストは、原則として、登記申請人である会社の代表者が作成します。

株主総会を開催したときの代表者と、実際に登記申請をする時点の代表者が異なる場合は、登記申請時の代表者(新しい代表者)が株主リストを作成します。

株主リストに押印は必要?

現在、株主リストへの代表者の押印は必要ありません。

株主名簿と株主リストの違い

株主名簿株主リスト
主な目的会社が株主を管理するため一定の登記申請のため
根拠会社法商業登記規則
作成・備置き会社法上の義務登記申請時に作成
提出先法務局へ提出するための書類ではない登記申請の添付書面
記載内容株主に関する事項氏名・住所・株式数・議決権数など

株主名簿があるから、株主リストを別に作らなくてよい、ということではありません。

まとめ

株主リストは、一定の登記申請をするときに法務局へ提出する添付書面です。

今回の記事のポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 株主リストは、すべての登記申請で必要になるわけではない
  • 株主総会の決議を要する登記などでは、株主リストが必要になる
  • 記載する内容には、株主の氏名・名称、住所、株式数、議決権数、議決権割合などがある
  • 誰を記載するかは、登記の根拠となる決議・同意によって異なる
  • 株主が1人でも、必要な登記であれば株主リストを作成する
  • 株主名簿と株主リストは別の書類
  • 株主名簿があっても、それだけで株主リストの代わりになるわけではない

実際に株主リストを作成するときは、登記する内容や株主総会の決議内容などを確認したうえで、どの株主を記載するのかを判断する必要があります。

「今回の登記申請の場合、株主リストは必要なのか」
「誰を記載すればいいのか分からない」
という場合は、まず今回の登記内容を確認するところから整理するとよいでしょう。

→「会社・法人の登記についてはこちら」

「自分の会社の場合はどうすればいい?」という方へ

株主リストは、登記する内容や株主総会の決議内容によって、必要かどうかや記載する株主が変わります。

「株主リストが必要なのか分からない」
「どの株主を記載すればいいのか迷っている」
「株主リストだけでなく、今回の役員変更登記についても整理したい」

という場合は、現在の会社の状況をお聞きし、必要な手続きや準備する書類を一緒に整理します。