株式会社と合同会社の違いを徹底解説 - メリットとデメリット

ブログ株式会社と合同会社の違いを徹底解説 - メリットとデメリット

事業を始めるときは会社名や屋号を最初に決めますが、会社を設立する場合で会社の名前を決めるときにまず考えるのは、会社形態ではないでしょうか。以前に比べて株式会社ではなく合同会社で設立されることが多くなりました。
株式会社も合同会社も有限責任(出資者の責任範囲は出資した金額に限られること)という共通点がありますが、もちろん違いがあります。
そこで必要になるのが株式会社と合同会社の違いに関する理解になります。
この記事では、両者の特徴、メリット、デメリットを詳しく解説し、あなたのビジネスに最適な会社形態の選び方をご紹介します。

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株式会社とは、合同会社とは

株式会社と合同会社をそれぞれ簡潔に説明すると、

株式会社とは、株主が出資して設立される法人形態です。出資者は、株式を所有し、利益配分や経営に影響を与えることができます。
合同会社とは、持分会社の一つで出資者が経営にも携わる法人形態です。

株式会社と合同会社の違い

所有と経営の違い

株式会社は所有と経営が分離されている一方、合同会社では原則、所有者である社員が経営者としても活動します。

株式会社では、株主が会社に出資し、株式を所有することで会社を所有しますが、経営は取締役会や代表取締役といった経営陣が行います。つまり、所有と経営が分離されています。
一方、合同会社では、出資者であるメンバー(社員)が経営にも携わるため、所有と経営が一体となっています。

設立コストの違い

株式会社の設立の登録免許税は、資本金の額に1,000分の7を掛けた金額となります。
ただし、この登録免許税は最低金額が定められています。株式会社の最低金額は15万円なのに対し、合同会社の最低金額は6万円です。
株式会社の設立には、他に定款認証費用がかかりますので、合同会社の設立は、株式会社に比べて費用が抑えられます。そのため、初期費用を抑えたい場合は、合同会社の方が有利と言えるでしょう。

設立費用を抑える方法として、開業する市町村の商工会議所で開催される研修を受講し、設立時の登録免許税を半額にする創業支援というものがあります。創業支援については、別の記事で詳しく述べたいと思います。

役員変更の違い

株式会社の役員は取締役などのことですが、合同会社の役員とは出資者である社員のことをいいます。
株式会社の役員には任期があるので、任期の前後で役員に変更がなくても登記が必要になるのに対し、合同会社の社員には任期がないので変更がなければ登記は不要になります。

決算公告の有無の違い

株式会社には決算公告の義務がありますが、合同会社にはその義務がありません。
株式会社は、決算期が終了した後、官報など会社で定めた方法により決算内容を開示する義務があります。

株式会社のメリットとデメリット

株式会社のメリット

一般的によく言われるのが、株式を発行して資金調達がしやすい点や、社会的信用度が高い点が主なメリットです。株式会社は、株式を発行することで、不特定多数の人から資金を調達することができます。これは、事業拡大や新規事業への投資など、大規模な資金が必要な場合に非常に有効です。
所有と経営の分離により柔軟な会社運営が可能で、株式の譲渡や売却が合同会社よりしやすいという点が挙げられます。
また、合同会社よりも認知度が高いため取引先や顧客からの信頼を得やすいという側面もあります。

株式会社のデメリット

設立や運営にかかるコストが高く、決算公告義務がある点がデメリットです。
株式会社の設立には、登記費用や定款作成費用などの費用がかかります。

合同会社のメリットとデメリット

合同会社のメリット

設立コストが低いこと、経営の自由度が高いことがメリットとなります。合同会社の設立には、株式会社に比べて費用が抑えられます。
また、合同会社は、株式会社に比べて経営の自由度が高く、メンバーで自由に経営方針を決めたり、出資比率に関係なく利益配分を決めたりすることができます。定款内容(会社のルール)を株式会社よりも自由に決めることができ、個々の事情に応じた定款を作成することができます。

合同会社のデメリット

社会的な信用度が株式会社よりも比較的低く、資金調達の手段が限られる点がデメリットです。
合同会社は、株式を発行することができないため、不特定多数の人から資金を調達することができません。そのため、資金調達には、銀行融資や個人からの借入などが主となります。
合同会社が社員を変更する場合は、原則、全社員の同意が必要になります。また、合同会社は、出資比率に関係なく社員それぞれが意思決定を行うので、社員間で意見の対立が生じると経営や業務に大きな影響を与えることがあります。
また、会社が成長した後売却を考えている場合は、株式会社よりも難しい点がデメリットです。もちろん、合同会社から株式会社へ組織変更をすることはできますが、手続きが必要になり時間も費用もかかります。

会社形態の選び方

株式会社を選ぶ場合

上場を目指し株式を発行して資金を広く集めたい場合や、社会的信用度を重要視する場合に株式会社を選ぶと良いでしょう。
また、当初より売却を見越して事業展開する場合は、株式会社を選ぶのがおすすめです。

合同会社を選ぶ場合

設立コストを抑えつつ、経営に柔軟性を持たせたい場合に合同会社が最適です。合同会社の設立には、株式会社に比べて費用が抑えられます。また、合同会社は、社員間で自由に経営方針を決めたり、利益配分を決めたりすることができます。そのため、一人または少人数での会社設立を考えている場合は、合同会社を選ぶのがおすすめです。

まとめ

この記事では、株式会社と合同会社の違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。自分のビジネスに最適な会社形態を選ぶ際の参考にしてください。株式会社は、資金調達や社会的信用度という点で優れていますが、設立にかかるコストが合同会社に比較して高いというデメリットがあります。
一方、合同会社は、設立コストが低く、経営の自由度が高いというメリットがありますが、資金調達の手段が限られるというデメリットがあります。自分のビジネスの規模や目的、将来的な展望などを考慮し、どちらの会社形態が適しているのかを判断することが重要です。