株主リストガイド｜株主名簿との違い、作成方法、日付、作成者、押印の必要性まで

役員変更の登記をしようと調べたら、「株主リスト」が必要だと知って、それって何？って思った経験はありませんか？
この記事では、会社の登記申請手続きで必要になる「株主リスト」について、基本的な作成方法から、よくある疑問（いつの日付を使うのか？誰が作成するのか？など）までを、実務目線でわかりやすく解説します。

投稿者プロフィール

司法書士･社会保険労務士　石井 もも

神戸市東灘区の司法書士・社会保険労務士です。 専門知識と経験を活かし、相続やビジネスの法律面でのサポートを丁寧に行います。相談者様一人ひとりに寄り添い、安心してお任せいただける事務所を目指しています。オンライン対応可能。土日も対応しています。予約制にはなりますが夜間も対応可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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株主リストってなに？なぜ必要？

株主リストの法的根拠と会社法上の規定

株主リストには、株主の氏名や住所、各株主が保有する株式数、株式の取得年月日など、株主に関する詳細な情報を記載します。株主名簿との違いとしては、株主名簿は会社法で作成が義務付けられている書類であり、株主の権利を確定するために用いられます。一方、株主リストは、株主名簿を基に作成され、役員変更などの会社の登記申請の際に法務局へ提出するものとなります。

会社法において、株主リストの作成・管理が直接的に義務付けられているわけではありません。株主リストは、会社の登記申請をする際に添付するもので、商業登記規則で定められています（商業登記規則61条2項、3項）。

会社法では株主名簿の作成と管理が義務付けられています（会社法第121条）。

株主リストとは登記申請時の添付書類

株主リストは、会社法上で作成が義務付けられている書類ではありません。しかし、株主リストは、法務局に登記申請をする際に株主総会議事録（種類株主総会議事録を含む）を添付する場合、または株主全員の同意を要する場合に作成することが求められ、登記申請の添付書類となります。

株主リストの添付は、すべての会社に求められるものではありません。株式会社（特例有限会社を含む）と投資法人、特定目的会社に限られます。合同会社は対象外です。

株主リストの作成｜日付、記載事項、注意点

株主リストの記載項目

株主リストに記載される主な項目は、原則、①株主の氏名または名称、②住所、③各株主が保有する株式数、④各株主が有する議決権の数、そして⑤各株主が有する議決権割合（小数点第一位まで）です。株主全員を記載する必要はなく、議決権数上位１０名の株主または議決権割合が２／３に達するまでの株主のいずれか少ない方の株主についてのみになります。株主が1名であっても、株主リストは必要です。

これらの内容を代表者（登記申請人）が証明をします。株主名簿とは異なり、株式の取得年月日の記載は必須ではありません。議決権数は、株主総会決議における議決権の数を明かにする情報となります。

株主リストの記載項目に不備があると登記申請の補正（修正）の対象となります。登記申請を行う際には、法務局のホームページなどで最新の情報を確認するようにしましょう。

株主リストを作成する際には、テンプレートを利用すると効率的です。法務局のホームページにもテンプレートがありますので、ご活用ください。

日付の重要性｜いつの時点の株主情報を記載すべきか

株主リストに記載する日付は非常に重要です。なぜなら、株主リストは特定の日付における株主総会の議案毎の株主の構成を表すものだからです。そのため、株主リストを作成する際には、記載する日付を正確に記載しましょう。

誰が作成する？作成者と押印の必要性

株主リストの作成者は一般的に代表者（代表取締役）が作成になります。この代表者とは、登記申請人のことです。例えば、株主総会を開催時と、登記申請時の代表者が違う場合は、登記申請時の代表者が作成します。以前は株主リストの代表者の押印義務がありましたが、現在、株主リストの押印は不要です。

株主名簿と株主リストの違い

株主名簿と株主リストは、どちらも株主に関する情報を記載した書類ですが、その作成目的は大きく異なります。株主名簿は、会社法に基づいて作成が義務付けられており、会社の株主構成を明確にし、株主の権利を保護することを目的としています。株主名簿は、株主総会の招集や配当金の支払いなど、会社運営における様々な場面で利用されます。一方、株主リストは、法務局への登記申請時に必要となる書面となります。このように、株主名簿と株主リストは、それぞれ異なる目的で作成されるため、記載項目が異なります。

まとめ

株主リストは、株主名簿とは異なり、登記申請時に必要となる書類です。株主名簿とは目的や法的根拠が異なります。記載するのは株主総会の議案についての議決権上位の株主情報になります。作成は登記申請人である代表者が行い、現在は押印不要です。内容に不備があると補正（修正）の対象となります。最新の規定やテンプレートを活用し、登記申請をスムーズに進めましょう。

株主リストの作成や登記申請でご不安な点がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。当事務所では、会社設立や役員変更など、商業登記に関するご相談を初回無料で承っております。