遺言書の重要性と作成したほうがいいケース

遺言書は相続において非常に重要かつ大切なもので、遺言者の亡くなった後に、財産をどう残すのかについての意思を明確に示すために書かれたものです。
遺言書があると相続をスムーズに進めることができます。本記事では、遺言書の重要性と、どのような場合に作成すべきかについて詳しく解説します。

投稿者プロフィール

司法書士･社会保険労務士　石井 もも

30代から勉強に目覚めました。 勉強したくなったときが勉強するとき！ 遅咲きの有資格者です。 ホームページを訪れた方のお役に少しでもなれたら嬉しいという思いでコラムを書いています。

遺言書とは何か？

遺言書の役割と重要性

遺言書は、人が亡くなった後に自分の財産をどのように分配するか、自分の意思で決めておくことができる法的拘束力のある文書です。

遺言書を作成することで、自分の意思を明確に伝え、相続人同士の争いを防ぎ、円滑な相続を実現することができます。また、付言事項を記すことで、単に財産を分配するだけでなく、家族や親族への思いを伝える大切な手段でもあります。

遺言書の種類

遺言書には、作成方法や形式によっていくつかの種類があります。主な遺言書の種類は以下の通りで、ぞれぞれ形式的要件を満たすことが求められます。

• 自筆証書遺言：遺言者がすべて自筆で作成し、署名と日付、押印をした遺言書です
• 公正証書遺言：公証人役場で作成する遺言書です。公証人が遺言者の意思を確認し、遺言者の遺言の内容を記述します。また、遺言者、証人２人と公証人が署名し押印する必要があります
• 秘密証書遺言：遺言者が遺言書の内容を記載した書面に署名と押印をし、これを封入したものに封印をします。これを公証人と証人２人に提出して、遺言者と証人がこれに署名押印をします

遺言書の種類によって、作成方法や必要な手続きが異なります。自分の状況に合わせて適切な遺言書の種類を選ぶことが重要です。

自筆証書遺言書保管制度 と 公正証書遺言についての記事はこちら
遺言執行者の選び方とその重要性についての記事はこちら

遺言書の注意点

遺言書を作成する際には、遺言者の意思が明確に記載されていることが必要です。
遺言書の内容が曖昧だと、相続人同士の争いが起こる可能性があります。遺言書の内容は、明確で分かりやすい言葉で記載することが大切です。

遺言書が必要なケース

家族構成による遺言書の必要性

家族構成によっては、特に遺言書を残した方が良いケースがあります。例えば、子のいない夫婦で、自分に親や兄弟姉妹がいる場合に、配偶者に全財産を相続させたいときは、遺言書を作成した方が良いケースと言えます。

このケースでは、遺言書がなければ、配偶者が他の相続人である親や兄弟姉妹と相続財産について話し合いをする必要があります。家族関係が希薄な場合、たとえば亡くなった配偶者の兄弟姉妹と面識がなく、もしくは面識ががあっても交流がほとんどないケースがあり、話し合いをすることに心理的ハードルが高くなり円滑な相続手続きができないことがあります。

遺言書を作成する際には、自分の家族構成やそれぞれの相続人の状況を考慮し、適切な内容の遺言書を作成することが重要です。

特定の相続人に多く相続させたい場合

遺言書を作成することで、特定の相続人に多く相続させたいという意思を明確に表示することができます。

例えば、世話をしてくれた子供や配偶者に多くを相続させたい場合、遺言書にその旨を記載することで、相続人同士の争いを未然に防ぐことができ、自分の意向を伝えることができます。 遺言書を作成する際には、付言事項を記し遺言者の気持ちを伝えるとなおいいかもしれません。

相続人以外に財産を残したい場合

遺言書では、相続人以外の人に財産を渡す（遺贈する）ことを記すことも可能です。

例えば、よく世話をしてくれた配偶者の親戚の者（相続人ではない）や慈善団体など、相続人以外に財産を残したい場合、遺言書にその旨を記載することで、自分の意思を伝えることができます。 相続人以外に財産を残す場合は、付言事項も活用しながら、相続人の遺留分についても考慮しましょう。

安心して遺言書を作成するために

遺言書は自分でも作成できますが、専門家に相談することで、遺言書の作成に関する不安や疑問を解消し、安心して遺言書を作成することができます。

当事務所は、相続、遺言に関する相談を無料でお受けしています。お気軽にお問い合わせください。