遺産分割協議書と遺産分割協議証明書、違いと使い分け
相続手続きのときに、相続人間で亡くなられた方の相続財産を誰が何を相続するのかを決めます。
これを遺産分割といいますが、その遺産分割の内容を書類に書いたものが、遺産分割協議書や遺産分割協議証明書です。
名前は似ていますが、作成方法、利用シーンには大きな違いがあります。
本記事では、遺産分割協議証明書のメリット・デメリット、具体的な作成方法、そしてどのような場合にどちらの書類を使用すべきかを解説します。
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目次
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書の違い
遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書は、相続人全員で相続財産の分け方について合意した内容を1つの文書にまとめた書類です。
遺産分割協議書には、相続人全員の実印による署名捺印(または記名押印)が必要で、不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなど、多くの相続手続きで必要となります。
遺産分割協議証明書とは?
遺産分割協議証明書は、遺産分割協議が成立したことを証明するための書類です。
相続人各自が、協議内容に合意したことを個別に証明するために作成します。1人に1枚ずつ作成し、各自署名捺印(または記名押印)をします。
遺産分割協議証明書の例外|平成28年3月2日法務省民二第154号
遺産分割協議証明書は、原則、相続人全員分のものが必要になりますが、相続不動産の遺産分割の協議後に他の相続人が死亡して当該協議の証明者が結果的に一人となった場合、その旨を記載した1通の遺産分割協議証明書を添付することで、相続登記ができることとされています。
遺産分割協議証明書のメリットとデメリット
遺産分割協議証明書のメリット
遺産分割協議証明書の最大のメリットは、作成の簡便さにあります。相続人が遠方に住んでいる場合や、連絡が取りづらい相続人がいる場合でも、個別に署名押印を集めることができるため、手続きをスムーズに進められます。
遺産分割協議書の作成には、相続人全員が一堂に会して協議を行うか、書類を郵送でやり取りする必要があります。
そのため、相続人の中に海外在住者がいる場合や、高齢で移動が困難な相続人がいる場合には、遺産分割協議書の作成が難航することがあります。
このような場合に、遺産分割協議証明書は非常に有効な手段となります。
遺産分割協議証明書のデメリット
デメリットとしては、相続人全員の証明書が揃わないと手続きが進められないことが挙げられます。
遺産分割協議証明書は、各相続人の書類全部が揃って1つの書類となるからです。
まとめ|状況に応じて適切な書類を選択しましょう
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書は、法的な効力は同じですが、作成方法が異なります。
各相続人の状況や手続きの要件に合わせて、適切な書類を選択することが大切です。
迷った場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
ご不明点等ございましたら、ご連絡ください。