株主名簿管理人とは?設置する会社・手続き・変更や廃止の登記を解説

「株主名簿管理人」という言葉を聞いたことはあっても、

何をする人なのか分からない
自分の会社にも必要なのか
設置すると何が変わるのか

という方もいるのではないでしょうか。

株式会社は、株主名簿を作成し、備え置く必要があります。
株主名簿管理人を置いた場合には、会社に代わって株主名簿の作成や備置きなど、株主名簿に関する事務を行ってもらうことができます。

ただし、株主名簿管理人を置くことは、すべての株式会社に必要なわけではありません。

この記事では、株主名簿管理人の役割と、どのような場合に設置を検討するのか、設置・変更・廃止をするときの手続きや登記について整理します。

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株主名簿管理人とは?

株主名簿管理人とは、株式会社に代わって、株主名簿の作成や備置きなど、株主名簿に関する事務を行う者です。

会社法第123条では、株式会社は、株主名簿管理人を置く旨を定款で定め、その事務を委託することができるとされています。株主名簿管理人を置いた場合、株主名簿は、会社の本店ではなく、株主名簿管理人の営業所に備え置くことになります。

つまり、株主名簿を会社自身で管理するのではなく、一定の事務を外部に委託するための仕組みと考えると分かりやすいでしょう。

株主名簿管理人を置くと何が変わる?

株主名簿管理人を置くと、株主名簿に関する事務の窓口が変わります。

会社自身で株主名簿を管理している場合には、株主名簿は本店に備え置きます。
一方、株主名簿管理人を置いた場合には、株主名簿をその営業所に備え置きます。

株主名簿管理人は、株主名簿の作成・備置きのほか、株主名簿に関する一定の事務を会社に代わって行います。
そのため、株主数が多い会社などでは、株主に関する事務を会社だけで管理するよりも、外部の株主名簿管理人に委託することが適している場合があります。

株主名簿管理人は、すべての株式会社に必要?

結論からいうと、「いいえ」です。

株式会社だからといって、株主名簿管理人を必ず置かなければならないわけではありません。

会社法は、株式会社が株主名簿管理人を置くことができる制度として定めています。そのため、株主数や株主構成、株主に関する事務の量などを踏まえて、自社で管理するのか、株主名簿管理人に委託するのかを考えることになります。

例えば、株主が少数で、株主名簿の管理も会社自身で対応できている非上場会社であれば、必ずしも株主名簿管理人を置く必要はありません。
一方で、株主数が多い会社などでは、株主名簿に関する事務を外部に委託する必要性が高くなることがあります。

「株主名簿管理人を置くべきか」は、会社の規模だけで決まるものではなく、株主構成や株式に関する事務の状況も含めて考えることが大切です。

株主名簿管理人を設置するには?

株主名簿管理人を設置するには、まず定款に株主名簿管理人を置く旨の定めを設ける必要があります。
そのため、現在の定款にその定めがない会社が新たに株主名簿管理人を設置する場合には、定款変更が必要です。

定款変更は、原則として株主総会の特別決議によって行います。
その後、株主名簿管理人を選定し、会社との間で契約を締結します。

設置までの流れ

大まかな流れは次のとおりです。

  1. 現在の定款を確認する
  2. 株主名簿管理人を置く必要性を検討する
  3. 株主総会で定款変更を決議する
  4. 株主名簿管理人を選定する
  5. 株主名簿管理人との契約を締結する
  6. 必要な登記を申請する

実際の機関設計や定款の内容によって必要な手続きが変わるため、「取締役会(取締役会がなければ取締役の過半数の決定)で決めればよい」と単純に考えないことが大切です。

株主名簿管理人を設置したら登記が必要

株主名簿管理人に関する事項は、株式会社の登記事項です。そのため、新たに株主名簿管理人を設置した場合には、変更の登記を申請する必要があります。

また、会社の登記事項に変更が生じた場合には、原則として変更が生じた日から2週間以内に登記を申請します。

登記の際に確認したい書類

株主名簿管理人を設置する場合には、例えば次のような書類を確認します。

  • 定款
  • 取締役会議事録(または取締役の過半数の一致を証する書面)
  • 株主名簿管理人との契約を証する書面

取締役会設置会社かどうかなどによって必要となる書類が異なる場合があります。

株主名簿管理人を変更する場合

株主名簿管理人を別の者に変更することもできます。

  • 現在の株主名簿管理人との契約を終了する
  • 新しい株主名簿管理人を選定する
  • 新しい株主名簿管理人との契約を締結する
  • 変更の登記を申請する

といった手続きを検討することになります。

単に「新しい管理人と契約すれば終わり」と考えるのではなく、現在の契約をどのように終了させるのかも確認しておきましょう。

株主名簿管理人を廃止する場合

株主名簿管理人を置く必要がなくなり、会社自身で株主名簿を管理することにしたい場合には、株主名簿管理人を廃止することも考えられます。

定款に株主名簿管理人を置く旨の定めを変更する必要があります。株主名簿管理人との契約を終了するだけではなく、定款と登記の両方をすることになります。

廃止するときの流れ

  1. 株主名簿管理人との契約内容を確認する
  2. 株主総会を開いて定款変更手続きを行う
  3. 株主名簿管理人との契約を終了する
  4. 株主名簿を会社側で備え置く
  5. 必要な変更登記を申請する

という流れで検討します。

株主名簿管理人を変更・廃止するときに忘れたくないこと

株主名簿管理人を変更したり廃止したりするときは、「株主名簿を今後どこで管理するのか」という点を考えなければなりません。

株主名簿管理人を置かない会社では、株主名簿は会社の本店に備え置く必要があります。株主名簿そのものについても、株主の氏名・名称、住所、株式数、取得日などを記載・記録する必要があります。

株主名簿管理人の変更・廃止を機会に、現在の株主名簿の内容も確認しておくとよいでしょう。

株主名簿管理人の設置・変更・廃止をするときのチェックポイント

最後に、確認したいことをまとめます。

設置するとき

  • そもそも自社で管理するのか、外部に委託するのか
  • 現在の定款に株主名簿管理人の定めがあるか
  • 株主名簿管理人との契約内容を確認したか
  • 必要な機関決定を行ったか
  • 登記を行ったか

変更するとき

  • 現在の契約内容を確認したか
  • 現在の株主名簿管理人との契約をどのように終了するか
  • 新しい株主名簿管理人との契約を締結したか
  • 登記を行ったか

廃止するとき

  • 定款変更手続きをしたか
  • 現在の契約をどのように終了するか
  • 株主名簿を今後どこで備え置くか
  • 登記を行ったか

まとめ|株主名簿管理人は「必要かどうか」から考える

株主名簿管理人は、株式会社に代わって株主名簿の作成や備置きなど、株主名簿に関する事務を行う者です。ただし、すべての株式会社に設置が必要なわけではありません。

自社で株主名簿を管理するのか、株主名簿管理人に委託するのかは、株主数や株主構成、株主に関する事務の量などを踏まえて考えることになります。

また、設置・変更・廃止をする場合には、定款 → 会社の決定 → 契約 → 登記 → 株主名簿の管理というように、一つの手続きだけではなく全体を確認することが大切です。

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